墓じまいとは?増えている理由と、始める前に家族で決める4つのこと

終活・墓じまい

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墓じまいは先祖代々の墓石を解体して更地に戻し、遺骨を別の場所へ移して供養を継続する手続きです。増えている背景と家族で決めるべき重要事項を整理します。

墓じまいは墓石を撤去して遺骨を別の場所に移すこと

墓じまいとは、現在のお墓を解体・撤去して敷地を更地に戻し、墓地の管理権限を寺院や霊園に返還する一連の行為を指します。

「墓を閉じる」という言葉から、先祖の供養そのものを放棄するかのような誤解を持たれることがあります。

しかし実際には、取り出した遺骨を永代供養墓、樹木葬、納骨堂、海洋散骨といった新しい供養先へ移送して手厚く供養を継続する前向きな環境整備です。

法律上は「改葬」という手続きに該当し、勝手に墓石を取り壊すことはできず、市区町村長の許可や寺院での宗教儀礼を経て適正に進められます(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)

手順を踏んで公的な手続きを完了させることが求められます。

増えている背景(承継者不在・遠方)

厚生労働省の衛生行政報告例によると、日本全国における改葬の件数は年間10万件から15万件規模で推移しており、年々増加の一途をたどっています。

墓じまいを選ぶ人が急増している主な背景には、日本の社会構造の変化が深く関係しています。

  • 少子化と非婚化による承継者の不在:子どもがいない家庭や単身者が増加し、お墓を引き継ぐ直系の後継者が物理的にいなくなる状況。
  • 過疎化と都市部への人口移動:地方の実家を離れて東京や大阪などの都市部に定住し、実家のお墓参りへ通うことが困難になる地理的乖離。
  • 子ども世代への負担軽減意識:「自分が元気なうちに片付けておかないと、将来子どもに多額の維持費や解体費用を背負わせてしまう」という親世代の配慮。

無縁墓になって荒廃し、周囲に迷惑をかける事態を防ぐための責任ある終活の一環として、墓じまいを選択する人が増えています。

お墓を放置すると雑草が生い茂り、墓石が傾いて隣接する墓所を破損させる事故につながる恐れがあります。

管理料の未納が続けば、最終的には霊園側から官報公告を経て無縁墳墓として強制撤去される事態にも発展します。

そうした事態を未然に防ぐための主体的な行動として位置づけられています。

始める前に家族で決める4つのこと

墓じまいの実務作業を開始する前に、家族や親族間で話し合って方針を固めておくべき重要なポイントが4つ存在します。

決めるべき項目 具体的な決定内容 注意すべきポイント
1. 遺骨の新しい移転先 永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨などから選定 合祀や散骨はあとから遺骨を取り出せないため慎重に決定。
2. 費用の分担方法 撤去工事費や納骨費用の負担者と分担割合 名義人一人に抱え込ませず、親族で公平に協議する。
3. 実施する時期と期限 閉眼供養や工事を着工する目標年月 気候が穏やかな春や秋、一周忌などの節目に合わせる。
4. お寺への伝え方 菩提寺へ相談を持ちかける手順と日程 事後報告ではなく、事前に感謝と事情を相談ベースで伝える。

これら4つの基本方針について親族間で事前に合意を形成しておくことが、後日の摩擦やトラブルを回避するための土台となります。

特にお寺への相談は、手順を間違えると関係がこじれやすくなります。

感謝の気持ちを伝える準備を整えてから面談に臨む姿勢が欠かせません。

盆休みに実家へ帰省した際、仏壇の前で家族と顔を合わせながら「そろそろ実家のお墓のこれからについて、みんなで一度話し合っておかないか」と切り出す場面があります。

全体の流れ

墓じまいの具体的な進め方は、段階を踏んで着実に進行します。全体の所要期間は数か月から半年程度が目安です。

  1. 親族全員と話し合い、墓じまいの方針について合意を形成する
  2. 新しい納骨先を見学し、受入証明書を取得する
  3. 石材店から墓石撤去の相見積もりを取り、施工業者を決定する
  4. 現在のお墓がある自治体の役所へ改葬許可申請を行い、許可証を受け取る
  5. 菩提寺の僧侶を招いて閉眼供養(魂抜き)を執り行い、遺骨を取り出す
  6. 石材店が墓石を解体・撤去して墓所を更地に整地し、管理者に返還する
  7. 新しい納骨先へ遺骨を移動させ、納骨式を行って完了する

費用の全体像

墓じまいにかかる総額は、墓石の面積や立地、選ぶ納骨先によって30万円前後から百万円以上まで幅があります。

大手葬祭事業者の公開料金では、墓石撤去費用として1㎡未満で195,800円、1㎡以上〜2㎡未満で239,800円(全国対応、手続き代行・遺骨取り出し・解体・整地を含む)という基準が提示されています。

これに加えて、閉眼供養のお布施(3万〜10万円)、離檀料(3万〜20万円)、新しい納骨先の費用(合葬墓10万〜30万円、樹木葬20万〜80万円など)が合算されます。

総額の中で最も金額差が開きやすいのは墓石の撤去工事費と新しい納骨先です。

複数社から見積もりを取り寄せて適正な相場を把握することが大切です。

撤去工事を行う石材店によって、重機の手配方法や産業廃棄物の処分ルートが異なるため、十数万円単位で見積もり金額が変わるのが通例です。

同じ条件で比較検討を行うことが予算オーバーを防ぐ要となります。

次にやること

墓じまいを具体的に進める第一歩として、まずは自分のお墓を撤去する場合にいくらかかるのか見積もりを取ってください。

同じ条件で複数社の見積もりを取るために墓石相場netを活用してください。

お墓の所在地と広さを入れると、対応できる石材店から見積もりが届きます。

参考情報

  • 大手葬祭事業者の墓じまい公開料金(https://www.aeonlife.jp/rebury、確認日:2026-10-01)
  • 株式会社石長「墓じまいの費用相場」(https://www.ishichou.co.jp/ohaka/about_grave/hakajimai03、確認日:2026-10-01)
  • 墓地、埋葬等に関する法律 第5条、同法施行規則 第2条
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