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墓じまいは墓石を解体して更地に戻し、遺骨を新しい納骨先へ移す一連の手続きです。完了までには数か月の期間を要するため、順序を追って段階的に進める必要があります。
墓じまいは7ステップで進む
墓じまいの工程は、親族間の話し合いから新しい場所への納骨まで、大きく7つの段階に分かれます。
作業の前後関係を誤ると、手続きが滞ったり関係者との間に摩擦が生じたりする原因になります。
全体の所要期間の目安は2か月から半年程度です。寺院への相談や役所での書類発行、石材店の工事日程の調整など、複数の関係者と連絡を取り合う時間が発生するためです。
豪雪地帯や台風の時期は工事が順延する可能性も考慮しておきます。
| 段階 | 主な作業内容 | 関わる関係者 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 親族間の合意形成と方針決定 | 兄弟、親戚、祭祀承継者 |
| ステップ2 | 新しい納骨先の見学と契約 | 新しい霊園、納骨堂、散骨業者 |
| ステップ3 | 石材店の選定と工事見積もり | 地域の石材店、一括見積窓口 |
| ステップ4 | 改葬許可申請の手続き | 現在のお墓がある市区町村役場 |
| ステップ5 | 閉眼供養(魂抜き)の法要 | 菩提寺の僧侶、親族 |
| ステップ6 | 墓石の解体撤去と墓所の整地 | 工事を請け負う石材店 |
| ステップ7 | 新しい場所への納骨と供養 | 新しい受入先、参列親族 |
各ステップの要点を事前に把握しておくことで、手戻りのない進行が可能となります。
ステップ1:親族の合意
墓じまいを進める最初の関門は、関係する親族全員からの合意を取り付けることです。お墓の名義人(祭祀承継者)の一存だけで解体を進めると、後から重大な親族間トラブルに発展します。
特に配慮すべき相手はお墓参りに訪れている兄弟や従兄弟です。
「自分も入るつもりだった」「先祖代々のお墓を粗末にするのか」といった反発を招かないよう、墓じまいを考えるに至った背景を丁寧に説明します。
将来の承継者が不在である現実や、遠方でお墓の維持管理が困難になっている状況を客観的な事実として伝えます。
盆休みに実家へ帰省した際、仏壇の前で兄弟とお茶を飲みながら「今後のお墓の管理について相談したい」と静かに切り出す場面があります。
ステップ2:新しい納骨先を決める
親族の同意を得た後は、取り出した遺骨をどこに移送して供養するかを決定します。新しい納骨先が確定していないと、役所で改葬許可証の交付を受けることができません。
納骨先の形式には合葬墓、樹木葬、納骨堂、海洋散骨など多様な選択肢が存在します。
石材店の公開する費用目安では、合葬墓が10万〜30万円、樹木葬が20万〜80万円、納骨堂が30万〜150万円、海洋散骨が5万〜50万円と幅広く設定されています。
交通の利便性や将来の管理費の有無を比較しながら選定します。
合祀型の供養や散骨を選ぶ場合、後から遺骨を取り出すことは二度とできません。
この制約について親族へ事前に確認しておく姿勢が欠かせません。
ステップ3:見積もりと依頼先の決定
墓石の解体撤去工事を依頼する石材店を選定し、正式な見積もりを取得します。工事費用は石材店ごとに異なるため、2〜3社から相見積もりを取って比較検討することが重要です。
大手葬祭事業者の公開料金では、1㎡未満で195,800円、1㎡以上〜2㎡未満で239,800円といった明確な基準が示されています。
石材店の提示額が地域の相場(1㎡あたり10万円前後〜)に見合っているかを精査します。
寺院墓地の場合、出入りできる業者が決まっている指定石材店制度が存在することがあります。
事前に墓地の管理規定を確認し、指定業者の有無を確かめる必要があります。
ステップ4:改葬許可申請
遺骨を別のお墓や納骨堂へ移動させる行為は法律上「改葬」と定義されており、市町村長の許可が義務付けられています(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)
手続きは現在のお墓がある自治体の役所窓口で行います。
必要書類は自治体のWebサイト等で入手する「改葬許可申請書」、現在の墓地管理者が発行する「埋葬(収蔵)証明書」、新しい納骨先が発行する「受入証明書(または永代使用許可証)」の3点です。
書類の様式や手数料は自治体によって異なります。申請から許可証の発行まで数日から1週間程度かかる場合があるため、余裕を持った日程を確保します。
ステップ5:閉眼供養
墓石を物理的に解体する直前に、墓石から宿った魂を抜いて無に帰す宗教的な儀式として閉眼供養(魂抜き)を執り行います。
菩提寺の僧侶を墓前に招いて読経を依頼します。石材店の公開する費用目安によると、閉眼供養のお布施の相場は3万〜10万円です。
僧侶の手配と並行して、墓石の納骨室を開けて骨壺を取り出す作業を石材店に立ち会ってもらう日程調整を行います。
寺院墓地から離れる場合、この機会に合わせて離檀の挨拶を行います。
相場としては3万〜20万円程度の離檀料を包む慣例が見られますが、法的な義務ではなく感謝を伝えるお礼としての性格を持ちます。
ステップ6〜7:撤去・整地と納骨
閉眼供養が完了した後、石材店による墓石の解体・撤去工事が実施されます。
墓石本体、外柵、基礎コンクリートを重機や手作業で破砕し、トラックで産業廃棄物処分場へ搬出します。
更地に戻した後は、土を均して整地し、霊園管理者へ区画を返還します。
大手葬祭事業者の基本プランでは、行政手続きの代行から整地作業まで一貫してパッケージに含まれています。
取り出された遺骨は清掃や乾燥を済ませた後、新しい納骨先へ運ばれます。
改葬許可証を新しい霊園の管理事務所へ提出し、納骨式を行ってすべての工程が完了します。
次にやること
墓じまいのスケジュールを具体化させるためには、まず墓石の撤去工事にいくらかかるのか見積もりを取ることが必要です。
同じ条件で複数社の見積もりを取るために墓石相場netを活用してください。
お墓の所在地と広さを入れると、対応できる石材店から見積もりが届きます。
参考情報
- 大手葬祭事業者の墓じまい公開料金(https://www.aeonlife.jp/rebury、確認日:2026-10-01)
- 株式会社石長「墓じまいの費用相場」(https://www.ishichou.co.jp/ohaka/about_grave/hakajimai03、確認日:2026-10-01)
- 墓地、埋葬等に関する法律 第5条、同法施行規則 第2条